問題山積の状態を理想的に仕上げた総合全体治療

47歳/女性
治療前
治療後
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治療後
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治療後
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治療後
治療前
治療後
症状・主訴 全体的に診てほしい。下の前歯がグラつく。
目安の治療費 約320万円(処置費用別途)
治療期間 約3年間
治療法 歯周病治療・被せ歯の治療はもちろんのこと、インプラント治療も行い、歯科治療の全てを行う総合全体治療
リスク

【1】審美補綴(ほてつ)治療
主に歯が欠けてしまった場合、歯を失った場合に、人工歯を用いて詰め物・被せ物などで歯を補うことです。
・補綴物には、見た目は白くても金属を含むものもあり、金属アレルギーの原因となる可能性があります。金属アレルギーの方は、治療前に医師にご相談ください。
・補綴治療では歯を削る必要がある場合があります。歯を削る量は、補綴物の素材や治療法により異なります。また、健康な歯を削る必要がある場合もあります。治療前に医師にご確認ください。
・審美補綴では、その種類に応じて治療費が異なり、セラミックやジルコニアなど、保険適用外となる素材もあります。それぞれのメリット・デメリットを確認したうえでお選びください。
・歯の強度・耐久性、噛み合わせなど、悪影響があると判断される場合は、ご希望の補綴物や治療法が適応出来ない場合がありますので、ご了承ください。

※掲載されている症例はすべて、当院で治療を完了した患者さまのものです。症例写真はトリミング(切り抜き)以外の加工等は行っておらず、サイト掲載の許可をいただいたものです。
掲載されている症例はすべて、各患者さま固有の症例に対応したものであり、治療結果を保証するものではありません。

治療の流れについて

初診時

被せ歯は痛んでおり見た目に問題がありました。
歯肉が下がっており歯を支える顎の骨も部分的に溶けてなくなっており、全体的に中等度の歯周病でした。
一部は重度の歯周病だったので何本かは抜歯が避けられない状況、さらに受け口の傾向にもあり噛み合わせのバランスに問題がありました。

診査・診断(診断用模型作製)

様々な診査を行い、総合的な診断を行います。
その時に、顎の動きを再現する器械に歯型の模型を装着して、最終的な仕上がりを示す診断用模型を作製します。
いわゆる設計図のようなものですが、これにより必要な治療法を全て抽出し、緻密な治療計画を立案します。

まずは、歯周病の治療を徹底的に行います

中等度の歯周病の状況ですので、まずは徹底的に治療(歯磨き指導・歯石取り)を行い、引き締まった安定した歯肉に仕上げていきます。

必要な部位にインプラントを埋入手術を行います

奥歯にインプラントを埋入していきます。
先ほどの診断用模型から理想的なインプラントの位置を割り出します。
さらに正確な位置にインプラントを入れる為に、当院では『サージカルガイド』をドイツに発注・製作して手術に用いています。

精密な仮歯を入れてリハーサルします

見た目・噛み合わせ・清掃性など全て良好で快適な状態であることを確認する為に、精密な仮歯を入れて念入りにリハーサルを行います。
これにより患者さんは最終的な仕上がりを完成の前に体感することができ、安心して最後のステップに進むことができます。

最終的なセラミックスの被せ歯をセット

精密な仮歯で十分なリハーサルをしているので、何の問題もなく最終的な綺麗なセラミックスの被せ歯が入り、良好な結果が得られます。
見た目だけではなく、噛み合わせにおいてもバランスの良い理想的な状態に仕上げてあるので、良い状態を長く維持できます。

解説

今回は歯周病・歯の欠損・噛み合わせ(受け口)・痛んだ被せ歯と言った様々な問題を抱えた状況でした。
このような場合、しっかりとした診査・診断を行うことによって、何が原因で現在の状態になったのか。また、今後どのような治療を行えば良好な未来を創り出すことができるのかを十分検討していきます。

問題点を全て列挙し、それに対して一つずつ丁寧な治療を積み重ねていけばゴールにたどり着くことができますが、診断用模型を製作することによって最初に完成モデルをイメージすることが重要な症例です。
このような大がかりの治療においては、昔に行われていたツギハギの治療から、全体を見渡す総合的な治療へと切り替えることが必要なのです。

歯科医療において個々の治療技術を高めることはセミナーなどに参加すればある程度可能ですが、総合的な治療を計画立案・実行していくことは簡単なことではありません。
学会・勉強会に所属するだけでなく、自分が行った症例を数多くのドクターの前で発表して色々と意見を頂くという経験が必要です。
しかも、継続的に何年にも渡って行わなければ、良好な結果を生み出す治療は出来ません。
一つの症例をまとめあげて発表するということは、個々の治療技術水準のみならず、分析の仕方・診断の根拠など治療の妥当性を問われるわけですので、かなり広い分野にわたる知識と考えが必要です。
そのような厳しい発表を通じてドクターは成長できると言っても過言ではありません。

臨床経験22年になりますが、自分を成長させるために今でも勉強会で新しい症例を発表し続けています。